ドクターと恋を始めました。【完】
どれだけ心が狭いんだよ、と自分でも思うが多分それは普通なこと。
「…俺は本当に監禁したい勢いで琴音のことが好きなんだよ。」
昔の俺がこの言葉を聞いたら
驚くどころじゃなくなるだろう。
自慢話じゃないが、ガキの頃はとにかく俺はモテたらしい。
でも、所詮は容姿だけだったり俺のバックにある親の存在。
俺の家は、元々医者家系でそれだけで皆には金持ちと呼ばれていた。
だが、普通の家とは変わらない生活。
違うのは、家に帰っても『おかえり』という言葉がないだけの違い。
両親共に多忙な人達だったから会えることなんて本当になくハルとフユ。
フユってのは俺の兄貴で海堂 柊(カイドウ ヒイラギ)、弁護士をしてる。
柊(シュウ)という名前は普通にいてるけど、
柊(ヒイラギ)という名前は珍しい。
俺の両親は何故か漢字に季節を入れたがる。
その意図は未だに謎だ。
フユは、リーダーシップ的な存在で優しくて
クラスメイトとで例えるならムードメーカー的な兄貴だ。
だが、勉強はちゃんとする。
それを見て育った俺は結構な勉強好きになってしまって留学までしてしまった。
留学の話は、
元々父親からされたものだった。
『お前も将来医者の道に進むのならアメリカに行って学んで来い。免許とるまでら帰ってこなくてもいい。』
てな感じで日本のスクールライフに飽きた俺は単身アメリカに長期留学した。