ドクターと恋を始めました。【完】
「その言葉、俺が女ならキュンキュンした。
特に、“恋に落ちていたよ” なんて映画とかドラマの台詞かよ。
あ〜、ようやく愁にも春が訪れたか。」
不覚にも、怜於を殺したいと思ってしまった。
何かムカつく。
「…」
「はい、…で?どうするわけ?
今日会った患者に一目惚れしてしまったわけだけど。てか、高校生に恋とかロリコンだな。」
そう言いながら爆笑している怜於。
「怜於、俺に殺されたいわけ?」
てか、ロリコンとかじゃねーし。
いや…、でも10歳差ぐらいか?
俺は、ロリコンに入るのか?
「…メッソウモゴザイマセン。」
怜於と医局で別れてから俺は自分の荷物を取りに行った。
プライベート用のスマホにメールが1件受信されていた。
「はぁー…、」
溜息をつきながら俺はプライベートのスマホを開いた。
「…って、マジかよ。」
差出人は雄貴先輩からだった。
送られてきた内容には、
“もしかして、琴音ちゃん逃げてたりする?
帰宅途中に俺の妹と会って家に帰ってる時に琴音ちゃんらしき子に会ったんだけど。”
「…まったく。」
明日オペ終了次第、琴音を迎えに行こう。
…そして、この気持ちを素直に伝えよう。