ドクターと恋を始めました。【完】
CASE2
琴音side




「おっはよーう、女神のななちゃん!」



あたしは今日も元気に振る舞う。

昨日から、心身共に元気といえる状況でもないんだけどね。



「…おはよう。琴、何かあったの?」



何かあった、どころの問題じゃない。
昨日突然、心臓の病気といわれた。

心のどこかで嬉しい気持ちがある。



…ようやく、周りの望み通りになる。
やっと、あたしは楽になれるんだ。



「なーんにもないよ!」


「…そう?ならいいけど。」



ななちゃん、あと少しだけあたしのワガママに付き合ってください。


きっと、ななちゃんも凪ちゃんもあたしが “人殺し”ということを知った時は軽蔑する。


だから、まだ秘密にさせておいてください。



「2人共、おっはようさんっ!」



暫くして、凪ちゃんも登校してきた。
あと何日この2人と過ごせるのだろう。


あと何回、『おはよう』って言えるだろう。



「おはよう、凪ちゃん!」


「そういえば、こっちゃんは昨日あの時間に何してたのー?」



正直に言えば、病院です。
…なんて、死んでも言えません。



「うーん?用事を済ませに隣の街に…。」



< 34 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop