ドクターと恋を始めました。【完】
愁side





『あたしの命を託します。』



さっきからずっと、琴音の言葉がグルグルと脳内を駆け回っている。



「でも、手術をしてほしいなんてまた急な話だよね。琴音ちゃん心境の変化でも?」


「いや、俺もわからない。
ただ、昨日より明るくなった気がする。」



琴音の心境の変化も気になるが、
今やるべき事は一つだけ。



「あ、愁こんなとこにいた。」


「雄貴先輩、何か用ですか?」


「子猫ちゃんどうなったかと思って。」



子猫?…俺飼ってるおぼえない。
実家では猫飼ってるけど。



「愁、普通に考えて子猫って琴音ちゃんのことでしょ。…ツンデレ的な?」


「あー、琴音のことですか。治療すると言ってくれました。

俺に命預けるって…、って、プレッシャーじゃねーかっ!」



あー!
俺に命預けてもしもの事があったら…、


いつもはこんなこと考えねーのに!



「あー、愁が病んでる。
雄貴先輩どうにかしてくださいよ。」


「え、俺?!無理無理。」


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