ドクターと恋を始めました。【完】



「おまえを避けては通れない道だとは12年前から理解している。

もう二度と同じ過ちを繰り返したくない。

今更、謝ったとこで許してもらえるとは思っていないが本当に避けてしまって悪かった。」



初めて、あたしの目を見てくれた。
初めて、心から謝ってくれた。



「お父さんっ…、」



あたしは、初めて何十年ぶりかにお父さんのことを抱きしめた。


この家に来てこんなに泣く予定は無かったのに
何故か涙が溢れる。



「もう、美佐みたいに…、消えないでくれ。」



あたしを強く抱き締めるお父さん。
少し、震えてるのがわかる。


初めて見せてくれた、お父さんの弱さ。



「…あたしは、消えないよ。」



お母さんと約束したから。


お母さんのぶんまで長生きするって…。



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