ドクターと恋を始めました。【完】
「あのね!今日ね、ようちえんでね?りこちゃんとあそんだんだよ!」
「そっかぁ〜、琴音良かったわね〜!」
そうやって色々と会話しているときだった。
思い出したくない…、
なんで、…あの日のことが出てくるの?
もう、忘れさせてよ!
…ーー
「…っ、……琴!」
ななちゃんの声が聞こえる。
いつも通りの優しい声。
「…っ…ん?」
あたしは寝ていたらしい。
最近、この夢は見ていなかったのに。
「あんた、大丈夫?…泣いてるよ?」
自分では自覚のないほど泣いていたらしい。
机に涙の水たまりが出来ていた。
「っ、ぁ、…少し怖い夢見ただけ。」
何でこんな夢なんて見たんだろう。
あの日からよく見る夢。
あたしは一生この過去の出来事から解放されることはない。
「もう下校時間だよ?
…こっちゃんってば、何度起こしても起きなかったんだからね?」
起こされた記憶なんて全くない。
熟睡しすぎたかな。
ここ数日間、あんまり眠れていなかった。
「でも、朝より調子は良さそうだね。」
「二人共、心配と迷惑かけてごめんね!」