ドクターと恋を始めました。【完】
「琴音様、海堂病院でよろしいですよね?」
「あ、はい…。」
病院に戻りたくない…、
だって、抜け出した身だから怒られる。
確信できるほど。
「社長のことですが、あの人は口下手なだけで、素直な気持ちを言えないだけです。」
「…そうなんだ。」
「社長室には、亡き奥様と琴音様の写真が飾られています。」
初めて知ったこと。
お父さんは、心からあたしを嫌ってなかった。
それだけで嬉しい。
「…そうなんですか。」
「…今までの社長のご無礼を許してあげてください。」
榊さんはお父さんのことをよく理解してる。
多分、娘のあたしよりも。
「これからも父のことをお願いします。」
「了解しました。」