ドクターと恋を始めました。【完】
あっという間に病院前に来た。
本当はかなり気が重い。
怒りに満ち溢れた海堂先生の顔が思い浮かぶ。
「琴音様、後日改めて挨拶をすると主治医の先生にお伝えください。」
「…はい、ありがとうございました。」
車から降りて、病院に入った。
外来時間が終わってるからか待合室には数人しかいなかった。
「あっ、ターゲット発見。」
「あ、楠見先生…。」
「愁が血眼になって探してるよ〜。」
「…手紙置いていったのに。」
「あー、これ?」
楠見先生が白衣のポケットから
あたしの置いて行ったはずの手紙を出した。
「それです。」
「だって、これ愁見てないから。
見たのは貴志先生と俺だけだよ。」
「…へ?」