ドクターと恋を始めました。【完】
CASE4
琴音side





5月も終わろうとしていたとき、

病室で暇していたあたしにとてもとても良い話が舞い込んだ。


それは『退院したい?』というもので、
もちろんあたしは 『YES』 と答えた。


いや、当たり前でしょ?
この病室は本当に暇すぎる。


スマホもあまり触れないし勉強も特にしたくないし漫画も読破したし、


あとは何しろというのですか?




「琴音ちゃん、無事に明日退院が決まったわけだけどまだ本調子じゃないんだから走り回ったりしたらすぐにこっちに戻ってくることになるよ?」




と、さっきから何度も同じことを言ってくる内科の楠見先生。




「薬は1ヵ月分用意しとくけど、体調に少しでも異変を感じたら愁に言うこと!」


「…あ、はい。」




海堂先生に言うことっていわれても
これからは毎日会うわけじゃないし…、




「学校に行くとしても絶対に走ったら駄目。体育の運動もドクターストップね。

とにかく、少しでも体調悪くなったらこっちに電話かけること!」




楠見先生は心配性だなー。

あたしそこまで重病者じゃないよ…、
(かなりの重病者です。)




「はーい…、」


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