ドクターと恋を始めました。【完】



…な、なっ!


この人はサラッと恥ずかしいことを言う。


心臓がいくつあっても足りないよ。
…本当に。




「あ、顔赤くなった。」


「…」




本当にイジワルだ…。
一生、海堂先生には適わない気がする。




「へ〜?なに照れてんの?

とりあえず、公共の場でイチャつけないから俺の家に戻るか。」




という感じで、
看護師さんや楠見先生、貴志先生に微笑まれ見送られながら海堂先生の車に乗った。




「こら、シートベルトつけろよ?」


「あたしを家に帰してください…。」


「懲りないな〜。残念ながら琴音の荷物は俺の家にあるから巻返し不可能。」




海堂先生にあたしの気持ちなんてわかるはずないよ。

あたしは今まで家に帰っても一人ぼっちだったから慣れない…、



それに住むのが異性で他人。



小さい頃から今までお父さんとも一緒に過ごすことなんてなかったのに。








「…ばか。」


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