ドクターと恋を始めました。【完】
「おー、伊月(イヅキ)俺のカノジョだから手出したら殺すからな〜?」
「うわっ、カノジョさんなんだ。
はじめまして、僕は光野 伊月(コウノ イヅキ)。
アキとはチビの頃からの幼馴染みだよ。」
アキ…って、海堂先生のこと?
でも、確か名前って愁だったよね?
「…えっと、
あ、、はじめまして千葉琴音です。」
「緊張しなくていいよ。
これから先も顔合わせること多くなるし。」
「…あ、はい。」
多分、光野さんは紳士的な人。
話していて大体わかる。
口調からしても海堂先生とは真逆。
「伊月、俺はいつものやつ。」
「りょーかい。琴音ちゃんは?」
「琴音は病み上がりだから体に優しいメニューにしてやって。」
海堂先生はどこでも医者だ。
「体に優しいメニュー?
…んーーー、了解。作ってみるよ。」
そう言って、光野さんは厨房の方へと行ってしまった。
そして、レストランにはあたしと海堂先生しか客はいない。
…時間的に仕方ないんだけど。
「あの、先生はどうしてアキって呼ばれているの?」
「あー、俺の名前って愁だろ?
漢字で書けば秋ってあるだろ?
そこからダチ達が勝手に言い始めた。」
海堂先生の少年時代が少し気になった。
どんな子どもだったんだろう。
どんな高校生だったんだろう。
想像なんて全然つかないなー。