猫足バスタブに愛を
第1章
プシューッと音が鳴り、振動音とともに大きな電車がホームから去って行った。
それを見送ると同時に、私の中から安堵感が生まれる。
駅から出て空を仰ぐと、星が小さく輝いていた。
空が中途半端に明るくて、月が中途半端に欠けていて、まるで今の私を表しているようで。
ああ、なんてつまらない日々なんだろう。
毎日電車に乗って、毎日椅子に座り、毎日勉強。
そして毎日つまらない友達と毎日つまらない話を繰り返す。
何故みんな飽きないのだろうか。
いやもしかしたらみんな飽きているのかも知れない。
言わないだけで、顔に見せないだけで。
つまらないって思っているのは自分一人、みんなそう思ってたりして。
…なんてね。
みんながそうだったら、そんなのハリウッド顔負けの演技力だ。
一匹狼?
いいじゃないかそれで。
_