猫足バスタブに愛を
だからその笑顔が恐いんだって。
そんなことを言えるはずもなく、渋々とマグカップを口に付ける。
「熱…っ」
中身は予想通り熱かった。
思わず声に出してしまうほど。
でも、甘くて美味しかった。
心の中がホッとした。
「飲みながらでいいからさ、とりあえず聞いて?」
ソファーに浅く腰掛け直して、姿勢を整えた彼が再び口を開く。
「ああ、ゴメンね?そんなに警戒しないで欲しいな。
俺はあいつらの仲間でもないし、ましてやここに監禁しようとか考えてないから。だからそんなに身構えないで」
そんな証明がどこにある。
ちっともそんな話信じられないよ。信じられるわけがない。
そう思いながらも、一応コクンと頷いた。
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