猫足バスタブに愛を
みんなから外れないように、一生懸命話を合わせて、好きでもないのに彼氏も作ったりした。
無理矢理、毎日が楽しいと自分自身に言い聞かせた。
でも、そんな日々すらつまらなかった。
自分の出来上がった作品を振り返ったら、空っぽになった心があった。
上っ面だけの友達。
上っ面だけの彼氏。
上っ面だけの人気。
そんなものしかなかった。
それを全部合わせたら、空っぽな心が出来上がった。
そんなもの、ガソリンかけて百円ライターで燃やしちゃえ。
どうせ灰にもなりゃしない。
笑っちゃうけど、コレが私なんだ。
ようやく自分の家が見えてきた。
明かりが着いているから、親は帰宅しているのだろう。
時計を見ると、もう既に十九時を過ぎていた。
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