猫足バスタブに愛を
窓からそっと目だけを覗かせると、覆面を被った男が二人。
そいつらの足元には何かが転がっていた。
きっとあれは屍だろう。
私の両親の。
こんな状況で生きているはずがない。
ならあそこに転がっているのは。
なに、何コレ。
一体、何が起こっている?
私がいない間に、何が…。
私が求めていたのはこんな“変化”なんかじゃない。
親なんか嫌いだったけど、死んで欲しかったわけじゃない。
――…恐くて声が出せない。
いくら強がっていても、私も所詮はただの人間。
先程も言ったように、私は臆病者の小心者なんだ。
ましてやそれが自分の両親だったら。
…恐くないわけがない。
_