猫足バスタブに愛を
コツコツと靴の音が頭に鳴り響く。
もうじき、私は殺されるんだ。
名も知らない覆面の男達によって。
命って呆気ない。
半分自棄になりながらも、そんなことを考えている私。
逃げなきゃいけないのに、腰を抜かして動けないんだもん。
「…っ!?」
その時、私の口が誰かによって塞がれた。
きっとこれは誰かの手。
ぐいっと勢いよく腰を引かれ、誰か知らない人と密着する形になった。
背筋がひんやりと凍り付く。
何なんだ誰なんだこの人は。
口を塞がれているため、声を出すことすら出来ない。
もしかしたら、あの覆面男達の仲間かもしれない。
…それはヤバイかも。
そしたらあの男達のもとへと連れていかれるだろう。
いや、この場で殺される?
どっちにしてもこの腕から逃れなければ。
_