恋と呼ばせて


「人によるけど…恋人には向いてないのかなって思う。」


はっきり言うと、一瞬沈黙になり、小さく


そうですか…と呟いた。


その後連れて行ってくれた個室のレストランもバーも素敵で楽しかった。

ただ、あたしのさっきの言葉に傷ついたのか一切口説いて来る事はなかった。



断る気だったけど、来てよかったと思えた。


「あの、ありがとう。
最初は本当はお断りしようと思っていたの。
でも来てみたらすごい楽しかった。」


あたしの言葉にとても優しい笑顔を返した。


「すげー嬉しい、その言葉。
沢山話しも出来て、一緒にいれて良かったです。」

…なんだこれ、照れるな…


もじもじするあたしに、携帯を取り出すと、番号教えてください。と差し出してきた。


断るのもおかしいので、とりあえず教えた。


「あんまり返せないかもよ?」


「いいですよ。
たまに返してもらえれば。」


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