恋と呼ばせて
「今は後輩の職場の人かもしれないけど、絶対釣り合う男になるんで、また2人で会ってもらえますか?」
腕の力を抜いて私を見下ろす日下部くんに、不覚にもドキドキしてしまう。
「……はい。」
嬉しそうに笑う彼に、久しぶりに幸せな気持ちになれた。
駅まで送ると聞かない彼と賑やかな居酒屋の前を一緒に歩く。
「真島さんって、どんな男がタイプなんですか?」
また唐突な質問に、えぇ〜?と考え込む。
元彼達の顔を思い浮かべるが、共通点はないし、好きな芸能人も特にいない。
「…浮気しない人が良いなぁ。」
前ので懲りたから。
「された事があるんですか?」
…やっぱり聞かれるよね。
「前の人がね…。
元カノと二股かけてて。
そっから、もうめんどくさくて恋愛する気にならなかった。」