恋と呼ばせて
駅に着くと、改札口まで見送ってくれ、可愛いらしい笑顔で手を振ってくれた。
久しぶりにこんな感覚を味わって、正直ドキドキしたし少し舞い上がってる。
彼が人気あるの分かるし、心底どうして私?って思うけど、一生懸命伝えてくれた彼の告白に疑う余地なんてなかった。
恋に恋する年齢じゃないから、このテンションのまま付き合う事は出来ないけど、じっくり考えても断る理由がない気がする。
スキップしたくなる気持ちを押さえて扉を開くと、開いている扉に今までの気分がサァっと消えた。
…現実に返るとは正にこれ。
扉を開けると換気扇の音と、台所でタバコを吸う奴がいた。
「だから…何でいるの。」
「遅くね?
飲んでたの?」
「関係ないじゃない。
ほんとに今日会いたくない気分なの。
帰ってくれない?」