恋と呼ばせて
「っあ!!」
突然横からビックリ声が聞こえて思わず振り向く。
昼休みに近くの食堂で食券を買っていた時のことだ。
黒髪でまん丸な目をした若い男の子が私を見下ろしていた。
……?
不思議そうな顔の私に、ハッとして慌ててすみません!と呟いた。
人違いか……
そう思い視線を戻す。
「あ、あの……」
確実に自分に向けての声に再び顔を上げると、彼は緊張した顔で小さく話し出した。
「部署違うんで知らないと思うんですけど、同じ会社の日下部っていいます!」
「そう…ですか。
なんで私の事知ってるんですか?」