恋と呼ばせて
[どうかしました?]
不意打ちな言葉に思わず焦る。
「えっ、な、何が?」
[…なんかトーンが低いから…]
出会ってまだ少ししか経たないのに、どうして。
胸がギュッと苦しくなる。
「疲れたのかな?
ごめんね。大丈夫だよ。
お風呂入ろうと思ってた所。」
[あっ、そうなんですか!
すみません、声聞けて安心したので大丈夫です!
また明日、おやすみなさい。]
優しい声で悲しかった気持ちが少し癒される。
「うん、おやすみ。」
今までの環境を全否定せざるを得ないこの数日の出来事。
いい加減、ちゃんとしろって言ってるのかな。
ふぅ…と乱れた服を脱ぎ捨て、浴室へ向かう。