恋と呼ばせて


「いないよ。
お前だけ。」


嘘つき。


何回言われて何回傷付いたか。


それからというもの、私はずっと他の人との恋愛を避けてきた。


また築いた物が崩れるのが怖くて。


なんとなく今日の新人くんを思い出す。

純粋だなぁ…
私には手に負えないタイプだ。




「おはようございます!」


後ろから声をかけられ、一瞬固まる。


昨日の……


「あ…おはよう。」


「今日も飯行きません?
昼でも夜でもどちらでも!」


誘ってくるの思ったより早いな!


「えっと…あの、日下部くん?」


「はい!」


にっこり笑う顔に断れなくなる。
爽やか好青年で、年上にきっと可愛いがられるタイプかな?




< 8 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop