俺の青い春



俺たちは友達だった。

一番とは言えなくてもそれなりに近い存在で。
お互いに気を遣わない関係で、仲のいいグループの男女のひとり。


話す内容も歩く歩幅も笑うツボも俺たちはよく似ていて。

この表現が合っているかは分からないけど、一緒にいてラクだったし、心地よかった。

そんな日々が続いて、たしかあの日もみんなで夜遊びをしようと約束していた。


夏休みで毎晩のように遊びまくり、おまけに徹夜で全36巻の漫画を読破したせいで、俺は寝過ごして。

目が覚めた時にはすでに外は真っ暗になっていた。


みんながすでに集まっている駅前のカラオケまで急ぐ途中で、美花に会った。

美花も一緒に遊ぶはずだったのに、ふらふらと足は不安定で。声をかけると俺を見るなり大声で泣いた。


美花はいつもの美花じゃなかった。

両親が離婚したあの日だけは、だれも信じられないって。

もう家にも帰りたくないって。

そう震えながら、立っていられないぐらい泣いた。

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