俺の青い春
そんな時に限って空からはポツポツと雨が降ってきて、お互いのポケットの中のスマホが友達からの着信で鳴り続ける中、俺は美花を自分の家へと連れていった。
金もないし、雨宿りできる場所は見つからないし。
友達とバカ騒ぎをして吹き飛ばせるほどの悩みじゃないって気づいたから。
俺の空っぽの頭で考えた結果、とりあえず風邪をひかないように自分の部屋で雨が止むまで過ごそうと、家に呼んだのはそんな理由。
暗闇の中、扇風機をつけて、そのわずかな風が俺たちの頬を通りすぎていく。
美花はまるで借りてきた猫のように膝を抱えるだけ。
「もう消えたい。このまま消えていなくなりたいよ」
そう、震える小さな肩を見つめながら、気づくと俺は美花を抱きしめていた。
下心があったかは分からない。
少なくともそんなつもりで部屋に呼んだわけじゃない。
でも抱きしめていないと本当に消えてしまいそうだったから。