銀丸日
"次の百貨店"はどこにある?
このように大きく変化を選ばなければならない時期にさしかかり、百貨店各社は新しい道を歩み始めています。(残念ながら決断できていない会社も多いようではありますが・・・)

Jフロントリテイリング (大丸松坂屋)は、大丸を復活させた改革者・奥田務氏 (現 取締役相談役 / 旧 会長兼CEO)の采配のもと、賃貸型を増やして自社の担当範囲を縮小していく、いわゆるショッピングセンターに近いビジネスモデルへの移行を進めています。収益が安定するだけでなく、新しいお店や商品を取り入れやすい賃貸型の強みを活かし、若い層を取り込んでいこうという「新しい百貨店像を描く」戦略です。また、先日もラオックスを拡大導入することを発表するなど、トレンドに沿った商業 施設作りに積極的に動いています。

対照的な戦略を取るのが伊勢丹メンズ館を大成功に導いたマーケター・大西社長が率いる三越伊勢丹ホールディングスです。大西社長は、独自商品率や原価率の向上(品質向上)など、仕入れ・品揃えを中心に自社の担当範囲を拡げていく方針を打ち出し、欧米百貨店に近づいています。担当範囲を拡げることにより「三越伊勢丹カラー」を打ち出しやすい事業体を作り上げ、再び「三越 / 伊勢丹じゃないと買いたくない」と言われるくらい魅力的なお店を目指そうという「従来型百貨店を極める」戦略です。

百貨店業界3強のもう一角を担う髙島屋は、現在の強みを活かして経済成長と円安を背景に急騰するアジアからの需要を捉えて成長しようという色が比較的強く見られるほか、国内ではグループ各社の力を結集して街ごと作り上げていこうという戦略を打ち出すなど、比較的幅広い方針が見て取れます。(海外市場に日本の魅力的な商品を届ける事業で、弊社(トランスコスモス)もご一緒させていただていています)
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