わたしはいないようだ、
思った事が実現したら
「キモイんだよ!」
バンっと少女は地面に叩きつけられ、頭を強くぶつける
その頭から赤く生暖かい液体がだらり、だらだらと垂れ流しになった。
「うわぁぁぁ!!」
少女を突き飛ばした女達が尻尾を巻いて逃げていく中、少女は独り泣いていた。
ずっと独りぼっちの少女には、死を悲しんでくれる友も親すらもいない。
クスクスクスクスクス
鈍痛の中目を薄らと開くと、赤と黒のチェック柄に身を包み薄ら笑をケラケラとわらいならがらこちらを見る少年がいた。
「だ、れ。」
「君が欲しがってた力をあげるよ。かわりに寿命50年分頂くよ。」
有無を言わさず少年はにこやかに少女をぶん殴った。
少女の意識は遠のき、
少女が再び目を開けると孤児院の女が目覚めた少女に舌打ちをした。
「死んでくれた方が楽なのに」
少女は孤児院の女が吹き飛ぶイメージをした
すると女は窓の外にド派手に吹き飛んでいった。
「え、」
クスクスクスクスクスクスクスクス
また、と少女は上を見ると天井から少年が降りてきた。
「どう?もうこの世界は自分の思う通りだよ?銀行強盗だって、世界一の金持ちにだってなんにだってなれるんだよ!」
少女は何も言わず目を瞑りイメージを始めた。
『もしも、私がいない世界だったら』
少年は「ダメだ、ダメだよ!それは」そう言うと何処か変なところを見つめ始めた。
「君が望んだから、もう君はいない事になってる。だから、もう僕にも見えないんだ」
そう言うと少年は再び上へ上がっていく
「どうか、寿命1週間を楽しんで。死なないようにね。」
物悲しげに少年は少女に伝え消えていった
少女はベットから起き上がり、『そらが飛べる』とイメージしながら走って窓を抜けると
そこにはふわりと思うように動くからだと、下にはグロテスクな孤児院の女の姿があった。
「かわいそう、やっちゃった。」
『おばさんが完治する』
女は何があったのだろうという顔で平然と起き上がり野次馬達も何してたんだ?といなくなっていった。
「良かった」
そう言うと屋根伝いにある場所へと駆けて行った。