ミステリアスなユージーン
∴☆∴☆∴☆∴
思いもかけない事って、急に起こるのよね……。
私は目の前の信じられない光景に、石になる勢いで硬直した。
その恐怖は何の前触れもなく、私が浮き浮きと瀬戸カナデ先生のサイン会場へと向かっている途中に襲ってきたのだった。
「みんなーっ!今日は来てくれてありがとぉーっ!」
…………驚かないわよ、私は。
マイクを通しているにも関わらず萌え系ボイスでそう叫ぶ女子を、私は横目で見ながら通過しようとした。
「アンナーッ!」
「今日もアイラブユーッ!」
……そう、この野太い声援にだって動じるもんですか。
ここはビルの地下一階にある、小さなCDショップだ。
一般的なCDはまるで入荷されなくて、はっきり言ってかなりマニア向けの店だ。
簡易ステージに立つこの女の子も今、ここでCDを買ったファン、もしくは会員のみの握手会の真っ最中なんだと思う。
混乱を避けるため、ショップと通路の境界線にロープが張ってあり、スタッフが目視で通行人や、客の安全をチェックしている。
「中二階アイドル、真中アンナでーす!この度は三枚目のシングルCD発売記念握手会にようこそぉ!」
………おめでとうございます……。
思いもかけない事って、急に起こるのよね……。
私は目の前の信じられない光景に、石になる勢いで硬直した。
その恐怖は何の前触れもなく、私が浮き浮きと瀬戸カナデ先生のサイン会場へと向かっている途中に襲ってきたのだった。
「みんなーっ!今日は来てくれてありがとぉーっ!」
…………驚かないわよ、私は。
マイクを通しているにも関わらず萌え系ボイスでそう叫ぶ女子を、私は横目で見ながら通過しようとした。
「アンナーッ!」
「今日もアイラブユーッ!」
……そう、この野太い声援にだって動じるもんですか。
ここはビルの地下一階にある、小さなCDショップだ。
一般的なCDはまるで入荷されなくて、はっきり言ってかなりマニア向けの店だ。
簡易ステージに立つこの女の子も今、ここでCDを買ったファン、もしくは会員のみの握手会の真っ最中なんだと思う。
混乱を避けるため、ショップと通路の境界線にロープが張ってあり、スタッフが目視で通行人や、客の安全をチェックしている。
「中二階アイドル、真中アンナでーす!この度は三枚目のシングルCD発売記念握手会にようこそぉ!」
………おめでとうございます……。