ミステリアスなユージーン
第六項目
ユージーンはヤキモチ焼き
∴☆∴☆∴☆∴
「また来てくれたんだね、ありがとう」
「は、はいっ。ずっとずっと応援してますっ」
ビルの地下一階の本屋さんは、先程のCDショップ並に小さい。
なんでもこの店は、まだ新人で知名度の低かった先生の漫画を沢山置いてくれた店らしく、彼はいくら有名になってもこの小さなお店でサイン会を続けているのだ。
この度は当選人数を増やした為に、この店の隣の空きテナントで開催する予定だったけど、床の一部に不備が生じたらしかった。
「少し窮屈で、ごめんね」
「だ、大丈夫です!」
カナデ先生に優しく声をかけられた私はトキメキを覚えながら夢中で先生の顔を見つめた。
先生の色素の薄い明るい茶色の瞳は柔らかな光を称えていてとても優しい。
ああ、ちょっと特別な気がする、私。
だって、《また来てくれたんだね》だよ?!覚えてくれてたんだ、先生。
嬉しい。嬉しすぎる。
長い睫毛を伏せて、流れるように私のDVDにサインをしてくれた先生がやがて顔をあげた。
「……」
……ん?
先生が本屋の外を見つめて目を見開いている。
それから私に、先生は遠慮がちに尋ねた。
「……ところで……通路の販売機の傍から僕を睨んでいるあのイケメンは……知り合い?」
「はい?うわっ、佐渡君っ」
先生の視線を追った私は驚きのあまり声をあげてしまい、慌てて、
「いや、あの人は会社の……」
なによ、あの顔っ!マジで睨んでるじゃん!
「また来てくれたんだね、ありがとう」
「は、はいっ。ずっとずっと応援してますっ」
ビルの地下一階の本屋さんは、先程のCDショップ並に小さい。
なんでもこの店は、まだ新人で知名度の低かった先生の漫画を沢山置いてくれた店らしく、彼はいくら有名になってもこの小さなお店でサイン会を続けているのだ。
この度は当選人数を増やした為に、この店の隣の空きテナントで開催する予定だったけど、床の一部に不備が生じたらしかった。
「少し窮屈で、ごめんね」
「だ、大丈夫です!」
カナデ先生に優しく声をかけられた私はトキメキを覚えながら夢中で先生の顔を見つめた。
先生の色素の薄い明るい茶色の瞳は柔らかな光を称えていてとても優しい。
ああ、ちょっと特別な気がする、私。
だって、《また来てくれたんだね》だよ?!覚えてくれてたんだ、先生。
嬉しい。嬉しすぎる。
長い睫毛を伏せて、流れるように私のDVDにサインをしてくれた先生がやがて顔をあげた。
「……」
……ん?
先生が本屋の外を見つめて目を見開いている。
それから私に、先生は遠慮がちに尋ねた。
「……ところで……通路の販売機の傍から僕を睨んでいるあのイケメンは……知り合い?」
「はい?うわっ、佐渡君っ」
先生の視線を追った私は驚きのあまり声をあげてしまい、慌てて、
「いや、あの人は会社の……」
なによ、あの顔っ!マジで睨んでるじゃん!