ミステリアスなユージーン
∴☆∴☆∴☆∴
「何これ?!すっごく美味しい……!」
佐渡君の部屋にお邪魔した私は、お洒落なカットが施されたグラスを見つめて感嘆のため息を漏らした。
そんな私に佐渡君がクスッと笑った。
「これはペシェといいます。南仏の桃のリキュールです。普段はカクテルにしますが、今日はロックにしてみました。喜んでもらえて嬉しいです」
「……」
「……」
どうしよう。佐渡君の作ったピザ……クアトロフォルマッジもかなり美味しい。
「ゴルゴンゾーラを少し控えてそのかわりモッツァレラを心持ち多めにしてみたんですが……いかがです?」
「……お、いしい……です」
「……じゃあ、ご褒美に菜月さんを」
「ま、まだ食事中だしっ」
「……フッ……」
含むような瞳で私を斜めから見た佐渡君に、またしても胸がドキドキと騒ぎだす。
「する前に一つ訊いてもいいですか」
ちょ、ちょっとっ!なんてこと言うのよっ!
ゴホッとむせた私を気にもせずに、佐渡君は静かにグラスを置いた。
「呉服桜寿の東京一号店の家具入れの話ですが」
「……うん」
そういえば以前、この話をしようとした佐渡君を遮って、それっきりだった。
私もグラスを置くと、佐渡君を見つめて口を開いた。
「何これ?!すっごく美味しい……!」
佐渡君の部屋にお邪魔した私は、お洒落なカットが施されたグラスを見つめて感嘆のため息を漏らした。
そんな私に佐渡君がクスッと笑った。
「これはペシェといいます。南仏の桃のリキュールです。普段はカクテルにしますが、今日はロックにしてみました。喜んでもらえて嬉しいです」
「……」
「……」
どうしよう。佐渡君の作ったピザ……クアトロフォルマッジもかなり美味しい。
「ゴルゴンゾーラを少し控えてそのかわりモッツァレラを心持ち多めにしてみたんですが……いかがです?」
「……お、いしい……です」
「……じゃあ、ご褒美に菜月さんを」
「ま、まだ食事中だしっ」
「……フッ……」
含むような瞳で私を斜めから見た佐渡君に、またしても胸がドキドキと騒ぎだす。
「する前に一つ訊いてもいいですか」
ちょ、ちょっとっ!なんてこと言うのよっ!
ゴホッとむせた私を気にもせずに、佐渡君は静かにグラスを置いた。
「呉服桜寿の東京一号店の家具入れの話ですが」
「……うん」
そういえば以前、この話をしようとした佐渡君を遮って、それっきりだった。
私もグラスを置くと、佐渡君を見つめて口を開いた。