ミステリアスなユージーン
……信じられない。
ブランディング技術の高さとセンスの良さが、私達の仕事をより輝かせてくれている。
これを、佐渡君が……?
「実はこれはまだ試作段階です。それから……俺がブランディングプロデューサーとして直接手掛ける仕事はこれが最後です。……それがアリシア工藝のSD課で良かったと、心から思っています」
そう言って私を見つめる佐渡君の顔がジワリと滲んだ。
「出来る限り、ありのままのあなた方を見たかったんです。アリシア工藝SD課の、真の仕事をブランディングしたかった。身分を黙っていてすみませんでした」
瞬きをした私の眼から涙がこぼれ落ちて、弾けながら頬を伝った。
「菜月さん。でも俺があなたを好きになったのは本当です」
佐渡君……!
胸がキュッとして、暖かい何かに包まれるような感覚がした時、佐渡君が私の手をそっと取った。
いっそう身体が熱くなり、胸が高鳴る。
「菜月さん、俺とずっと一緒にいてください」
佐渡君が、至近距離から私を見下ろして切な気に両目を細めた。
私はそんな彼を涙目で見上げて、上ずる声を出来るだけ抑えながら言葉を返した。
「離す気ないって言ったじゃん。なのにどうして訊くのよ」
少し眉を寄せた私に、佐渡君が囁くように言った。
ブランディング技術の高さとセンスの良さが、私達の仕事をより輝かせてくれている。
これを、佐渡君が……?
「実はこれはまだ試作段階です。それから……俺がブランディングプロデューサーとして直接手掛ける仕事はこれが最後です。……それがアリシア工藝のSD課で良かったと、心から思っています」
そう言って私を見つめる佐渡君の顔がジワリと滲んだ。
「出来る限り、ありのままのあなた方を見たかったんです。アリシア工藝SD課の、真の仕事をブランディングしたかった。身分を黙っていてすみませんでした」
瞬きをした私の眼から涙がこぼれ落ちて、弾けながら頬を伝った。
「菜月さん。でも俺があなたを好きになったのは本当です」
佐渡君……!
胸がキュッとして、暖かい何かに包まれるような感覚がした時、佐渡君が私の手をそっと取った。
いっそう身体が熱くなり、胸が高鳴る。
「菜月さん、俺とずっと一緒にいてください」
佐渡君が、至近距離から私を見下ろして切な気に両目を細めた。
私はそんな彼を涙目で見上げて、上ずる声を出来るだけ抑えながら言葉を返した。
「離す気ないって言ったじゃん。なのにどうして訊くのよ」
少し眉を寄せた私に、佐渡君が囁くように言った。