ミステリアスなユージーン
ニコリともせず淡々とこう言った彼の声は低くて艶やかだ。
それから、背が高くて八頭身以上かと思うほどに眼を引く体型。
その上シャープな顔立ちは、どこかエキゾチックで神秘的だ。
なに、この美形は。
「佐渡はわが社の契約会社であるイギリスのSAグループから派遣されてきた。専門はブランディングだがこの度は半年間、SD課で空間創造のノウハウを学んでもらう事となった。岩本菜月、お前のチームで面倒みてやってくれ」
私は課長に名前を呼ばれ、小さく返事をして一歩前へ出た。
「ちなみに佐渡は最近の日本にあまり馴染みがない。みんな仲良くしてやってくれ。新入社員歓迎会の幹事!いいとこ予約してやれよ」
課長の言葉に入社二年目の安藤君が元気よく返事をした。
「抜かりはないですよ、課長!」
その時、ふと視線を感じて顔を上げると佐渡右仁が私を見下ろしていた。
その彼の表情に、不覚にも緊張する。
ちょっとなによ。その値踏みするような眼差しは。
「岩本菜月さん、お世話になります」
「……こちらこそ」
これが、佐渡右仁と私、岩本菜月が初めて交わした会話だった。
それから、背が高くて八頭身以上かと思うほどに眼を引く体型。
その上シャープな顔立ちは、どこかエキゾチックで神秘的だ。
なに、この美形は。
「佐渡はわが社の契約会社であるイギリスのSAグループから派遣されてきた。専門はブランディングだがこの度は半年間、SD課で空間創造のノウハウを学んでもらう事となった。岩本菜月、お前のチームで面倒みてやってくれ」
私は課長に名前を呼ばれ、小さく返事をして一歩前へ出た。
「ちなみに佐渡は最近の日本にあまり馴染みがない。みんな仲良くしてやってくれ。新入社員歓迎会の幹事!いいとこ予約してやれよ」
課長の言葉に入社二年目の安藤君が元気よく返事をした。
「抜かりはないですよ、課長!」
その時、ふと視線を感じて顔を上げると佐渡右仁が私を見下ろしていた。
その彼の表情に、不覚にも緊張する。
ちょっとなによ。その値踏みするような眼差しは。
「岩本菜月さん、お世話になります」
「……こちらこそ」
これが、佐渡右仁と私、岩本菜月が初めて交わした会話だった。