ライトブルーの香りは今でも
私の言葉に何故か吹き出した。
ケラケラ笑っている目の前の茶髪先生。
どこまでも失礼な人…。
私が引いた目で見ていると
茶髪先生はやっと笑いが収まった様子。
涼「ごめん、なんか一生懸命な感じが可愛いなって」
夏実「…え?」
人生で親以外に言われた事の無い言葉を
苦手視している先生に言われた。
涼「なになに、顔赤いよ?」
どうやらその言葉に私は反応しているらしく、
高熱が出てるんじゃないかってくらい熱い。
夏実「あ、赤くなんかありません…」
私は何とか否定をした。
お世辞とは分かっていても言われたら
心が反応してしまう私は
まだちゃんとした女の子らしい。
涼「そうだ、眼鏡ちゃんの名前は?」
夏実「教えません、絶対に…」
涼「なら、教えてもらえるまで眼鏡ちゃんだ」
とても柔らかな優しい笑顔で
『眼鏡ちゃん』呼びを決定された。
私は写真を撮るつもりだったのに
茶髪先生にぶつかったせいで目的を果たせず、
その場を離れた。
あの一瞬で半年分の体力を使った気がした私は
カメラと鞄を持って早めに帰宅した。