キミは甘のじゃく

「か……可愛い!!」

それは感嘆の声というよりは、悲鳴に近かった。

天使みたいに可愛いっ!!超絶可愛い!!

ぷっくぷくの柔らかそうなほっぺに、ラブリーな瞳、整形かと見紛うばかりのパッチリ二重。

(これ、本当に古賀くんなの!?)

ああ、この頃は天使みたいに可愛いかったのに、最終的な仕上がりはどうしてあんなに悪魔的になってしまったのだろう。

なぜこのまま成長してくれなかったのか……心底惜しい。

アルバムには幼き日の古賀くんの姿が沢山収めてあった。

お義母様はその中からお目当ての一枚が見つけると、満面の笑みで私に渡してきた。

「この写真あげるわ。何かあった時の切り札にしておくといいわ」

お義母様が渡してきたのは、4~5歳の古賀くんがおねしょをして泣いている写真だった。

「……ありがとうございます」

古賀くん、私がこの写真を持っているって知ったらきっとびっくりするだろうな……。

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