キミは甘のじゃく
(膝枕……!!)
なんで膝丈のスカートを履いている時に限って膝枕なの!?
スリスリと膝頭を丸く撫でられると、くすぐったくてたまらない。
それに、古賀くんの頭って結構重い……。
「ねえ、古賀くん……。そろそろ足が痺れてきたんだけど……」
「枕は喋るな」
「……はーい」
うう……。
こんなの横暴だ!!枕にだって人権はあるんだから!!
そう言い返すことが出来たなら、これまで苦労していない。
古賀くんの気が済むまではと、仕方なくムズムズと動きたくなるのを我慢していると……。
「さくら」
「なあに?」
「……今日はひとりで行かせて悪かったよ」
……古賀くんなりにひとりで行かせたことを気に病んでいたようだ。
「ううん……。これくらい平気」
私はそう言ってしおらしくなっていた彼の柔かい髪を撫でてあげたのだった。