キミは甘のじゃく
「今度、同窓会やるって知ってた?」
「ああ、俺のところにも連絡があった」
「私にもしいちゃんから連絡があったんだけど……」
「お前も行くよな?」「古賀くんは行かないよね?」
ふたりして声が被り、しばしの間互いの顔を見合わせる。
(“お前も”ってことは……)
「古賀くん、行くつもりなの……?」
いつも忙しそうにしているくせに、同窓会には行くつもりなの?
「サッと行って、サッと帰ってくれば問題ないだろ」
どこをどう解釈したら問題がないことになるのか、私にもわかるように説明して欲しい。
どこがどう問題ないのか確認すべく、強い口調で訴える。
「私達、結婚してるんだよ!?」
「そうだな」
「もし、うっかり誰かの耳に入ったらどうするの!?」
「別に?どうもしない」
あっけらかんとしている古賀くんがひたすら怨めしい。
なぜこうも伝わらないのか……。
中学時代の私達を知っている人からすれば、この結婚がどれだけ奇妙でおかしいものなのかは明白で。
私は……同窓会の間中、好奇な目に晒されるなんてまっぴらごめんだ。