キミは甘のじゃく
「古賀くん……?」
酔っ払った拍子にどこかに頭をぶつけてきたのかしら……。
こぶでもできていないかと頭をさすると古賀くんは、ひどく上機嫌で話し出した。
「役員会がとうとう認めたんだ……」
「認めたって……?」
「来月から専務に就任だ!!」
古賀くんが古賀電機の専務に就任!?
嬉しい報告に私はうわあっと歓声を上げた。
「……良かったね!!」
彼の悲願がようやく叶ったのだ。
「さくら、お前のおかげだ……」
古賀くんが手放しで私のことを褒めるなんて……明日は槍でも降ってくるのだろうか。
「酔ってるんでしょう……?」
「んー?木橋達が前祝いにって……ちょっとだけな……」
ちょっとだけって……。
絶対ちょっとじゃないでしょう!?