キミは甘のじゃく

「古賀くん……?」

酔っ払った拍子にどこかに頭をぶつけてきたのかしら……。

こぶでもできていないかと頭をさすると古賀くんは、ひどく上機嫌で話し出した。

「役員会がとうとう認めたんだ……」

「認めたって……?」

「来月から専務に就任だ!!」

古賀くんが古賀電機の専務に就任!?

嬉しい報告に私はうわあっと歓声を上げた。

「……良かったね!!」

彼の悲願がようやく叶ったのだ。

「さくら、お前のおかげだ……」

古賀くんが手放しで私のことを褒めるなんて……明日は槍でも降ってくるのだろうか。

「酔ってるんでしょう……?」

「んー?木橋達が前祝いにって……ちょっとだけな……」

ちょっとだけって……。

絶対ちょっとじゃないでしょう!?

< 137 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop