キミは甘のじゃく

「さくら、可愛い……」

酔っているせいなのか、古賀くんのあまのじゃくが随分と鳴りを潜めている。

それどころか普段なら想像もつかないほどの優しい手つきに、私はゴクリと喉を鳴らした。

「古……賀くん……」

私はドキドキしながら、彼を見つめ返した。

本当はこうして甘やかされてみたかったと言ったら古賀くんは怒るかな……。

もっと触れて欲しい。もっと私に愛を囁いて欲しい。

……それがお情けでも構わない。

(もっと傍にいたいよ……)

口に出せないかわりには、私は古賀くんを誘うように出来るだけ色っぽく囁いた。

「ここじゃ寒いし……寝室に行かない?」

これが惚れた弱みってやつなのか……。

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