キミは甘のじゃく
古賀くんに反発したいがために無理を押して出社してみたものの、やっぱり体調が悪すぎてまともに仕事にならなかった。
「青山さん、体調が悪いなら無理しない方がいいわよ?」
「真彩さんの言う通りですよ、青山さん、すっごく顔色が悪いですよー?」
真彩さんはともかく仁美ちゃんにまで気を遣われるなんて、どれだけひどい顔をしているのだろう。
(きもち……わる……)
この頃になると吐き気に加え、胃までキリキリと痛くなってくる。
(おかしいな……)
ついこの間まで健康優良児だったはずなのに……。
冬だというのに身体中が熱く、冷や汗がとまらない。
やっぱり病院に行こうか。
妊娠でなくてもこの体調の悪さは尋常じゃない。
そう思い直した瞬間、ふっと身体の力が抜けた。
スローモーションで視界が揺らいで、ぐらりと身体が傾いていく。
(まずい……!!)
「青山さん!?」
椅子から転げ落ちるように倒れた私は、仁美ちゃんが呼んでくれた救急車に乗せられ病院に運ばれたのだった。