キミは甘のじゃく

「俺は……!!本当にどうでもいい女と結婚しようとは思わないし、病院に迎えにも来ない!!お前だから……!!」

ここまでするんだと訴える古賀くんの顔は、真っ赤に染まっていた。

さきほどまでヤサぐれていた心が期待で急速に膨らんでいく。

「あの……。髪型も目つきもそのままでいいし、服もバッグもいらないから……。私のことをどう思っているか……正直に教えてくれる?最初から教えてくれれば……私……」

……こんなに思い悩むこともなかったのに。

きっと私達、最初から間違えていたんだ。

中学生のあの頃の続きから始めようとしないで、大人になった今の自分達と正直に向き合えばこんなに……。

古賀くんは覚悟を決めたように、はあっと大きく息をはいた。

「一度しか言わないからな」

よく聞けと念を押すと、古賀くんは私の両肩にそっと手を置いた。



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