キミは甘のじゃく
7.夫婦になります!!
世間一般のカップルが結婚をするにあたって最初にぶちあたる問題のひとつが、親族への挨拶だ。
(うわあ……おっきいお家……)
閑静な住宅街において、一際存在感のあるこの邸宅が古賀家の実家である。
古賀くんの案内で広い玄関ポーチを歩き、20畳はあろうかという巨大なリビングに通されると庶民派の私はかなり面喰った。
(この家にお嫁にくるなんて本当に大丈夫かしら……)
価値観のギャップを改めて心配していると……。
「おお!!あんたが青山の娘か!!大きくなったのお!!」
古賀くんのおじいさん――古賀会長は私と目が合うなり歓迎を示すように両手を大きく広げハグをしてくれたのだった。
「この破廉恥ジジイめ……」
「何を言っておるのか、まったく聞こえんな……」
……古賀くんの悪態を聞き流してくれる度量もあるなんて、なんて素敵なおじい様なのだろう。
愛弟子の娘というアドバンテージもあったせいか、古賀会長は私の嫁入りを誰よりも喜んでくれた。