キミは甘のじゃく

「まさか本当につれてくるとはのう……」

古賀会長はソファにどっしりと座りながら、ホッホッホと上機嫌で笑った。

「さくらちゃんがお嫁にきてくれるなんて嬉しいわあ」

「僕も古賀家に婿としてきた身だからね。不安なことがあったら相談してくれて構わないよ」

古賀くんの両親もおじいさん同様の歓迎ムードである。

「ありがとうございます」

初めて会う古賀くんのお父さんは物静かで眼鏡が似合う人だった。

(古賀くんの性格はおじいさんに似たのね)

外見以外、古賀くんとはあまり似ていない。どちらかと言えば、古賀くんの豪胆な性格はおじいさんに近いものを感じた。

「早く、孫の顔が見たいもんじゃなあ」

「期待に沿えるように頑張るよ」

……そう言って肩に手を添えられた時は恥ずかしさのあまり死ぬかと思った。

私は最初のステップを難なくクリアしたようだ。

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