キミは甘のじゃく
怒涛の挨拶ラッシュをすませると、今度は新生活の準備に取り掛かる。
何のことはない。
マンションと家具一式をおじいさんがプレゼントしてくれたおかげで新居は簡単に決まった。
……気前が良いったらありゃしない。
「それだけお前のことが気に入ってるってことだろ?」
マンション購入はやりすぎではないかと古賀くんに抗議したところ、しれっとした顔で答えが返ってきた。
(絶対、普通じゃない……!!)
私は改めて古賀くんとは住む世界が違うこと実感した出来事だった。
お見合いからここに至るまで約3ヵ月。
……毎日がただ目まぐるしいスピードで過ぎていく。
まるで、私の気が変わるのを恐れているかのように、性急にことが進んでく。
結婚式も新婚旅行もすべて後回し。
超がつくスピード結婚に、よく互いの両親ともに反対しなかったよなあと感心してしまう。