キミは甘のじゃく

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「おい、いつまで片付けてんだよ」

古賀くんはいつまでも終わらない片付けに苛立ちを覚え、威嚇するようにドンっと壁に手をついた。

「う~ん。もうちょっとだけ……」

彼を待たせているということを理解しながらも、私は部屋中に散らばっているダンボールを掻き分け、あっちでもないこっちでもないと箱の中身をひっくり返す。

(おかしいなあ……。確かにこっちのダンボールに入れたと思ったのに……)

毎日使っている目覚まし時計がどこにも見当たらないのだ。

あれがないとすごーく困る。

「荷物が多すぎなんだよ、お前は」

「これでも減らしたの!!」

引っ越しにあたり古賀くんの2倍のダンボールを持ち込んだ身としては耳が痛い話ではある。

日差しが眩しい初夏のこの日。

……私と古賀くんはとうとう夫婦になる。

午前中は互いに引っ越しの片付けに勤しみ、午後は二人で婚姻届を役所に提出しに行く予定なのだが……。

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