キミは甘のじゃく

「かすみってば、やけに古賀くんの肩を持つのね」

生まれて此の方同じ家で育ってきた姉よりも、ぽっと出の古賀くんの味方をするなんてひどい話だ。

ひょっとして買収でもされているのか?

「最初はあの人と結婚して大丈夫かなってちょっと心配してたんだけどね。ほら、何事も日和見主義のお姉ちゃんがいきなり“結婚しまーす”なんて信じられないじゃない?てっきりモラルのない最低男がいまいち世間慣れしていないお姉ちゃんを騙くらかそうとでもしてるのかと思ったんだから。最悪、結婚詐欺かなって?」

「結婚詐欺って……」

いや、ある意味質の悪い詐欺みたいなプロポーズだったけど……。

「だってお姉ちゃんって男の趣味悪いもん。口先だけの薄っぺらい男に引っ掛かってばっかりだったし」

かすみは私の機嫌を取るように、にわかに肩を揉み始めた。

さすが妹。正直というか、毒舌というか……。

もう少し厚めのオブラートに包むとか他に言い方はなかったのか。

いじけ気味に肩揉みの手をペイッと振り払う。

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