キミは甘のじゃく

「それがどうして信用に値する人物になったのかしらね?」

「だって古賀さんって絶対お姉ちゃんに気があるでしょ?」

「はああ!?」

古賀くんが?私に?

「ないない絶対ない!!」

そんなことない!!とテーブルから身を乗り出して全力で否定する。

「学生時代、ちょっかいかけられてたんでしょう?」

「意味が違うから!!」

そういう意味じゃない!!

学生時代に私が受けていたのは恋愛に発展するような甘いものではなく、明らかな嫌がらせだった。

そんな私の憤りを吹き飛ばすように、かすみはケラケラと笑った。

「おんなじだよー。私と双葉も似たような時期があったしね。気になる相手に素直になれないってのは、年齢問わず男には共通の心理なのかもね」

ふふふと唇にひとさし指を当てると、まるで新手の恋愛評論家みたいである。

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