キミは甘のじゃく
「ま、それにしても相当な曲者だよね、古賀さんって。あまのじゃくってやつ?」
「あまのじゃく?」
古賀くんのどこがあまのじゃく?
あまのじゃくというよりは、単なる“邪悪”の一言の方が良く似合う。
「昔ならともかく立派な大人に成長した古賀さんが本気で迫ってきたら、お姉ちゃんなんて太刀打ちできないんじゃない?」
本気で迫るって……!!
「もう!!バカなことを言わないでよ!?」
古賀くんが私を好き?
バカバカしい!!
彼はおじいさんが気に入る人なら相手は誰だって良かったんだから……!!
「だって古賀くんよ!!口は悪いし!!強引だし!!本当にひどいんだからっ!!」
ムキになって言い返せば言い返すほど、かすみのニヤニヤ笑いが深くなる。
「私、お姉ちゃんには古賀さんくらい不器用でおバカな人が丁度いいと思うよ。」
かすみは最後にそう言うとお茶のおかわりを取りにキッチンへと行ってしまった。