キミは甘のじゃく
「こ、ここ古賀くん!?」
背後から手が這いより、お腹の前でがっちりとホールドされる。
まるで、イチャつくカップルのような体勢である。
「文句でもあるか?」
私はんぐっと黙った。
反抗すればもっと恥ずかしい目に遭わせられる。
ちょっと座り心地の悪いソファだと思えば……我慢できないこともない。
って、古賀くんがそんなに大人しくしているはずがなかった。
雑誌を読むのを再開した途端に、太ももからお尻に掛けて違和感を覚える。
「やっ!!どこ触ってんの!?」
何か変な感触がすると思ったら、悪戯な右手が部屋着の上を往復しているではないか!!
「さあ?どこでしょう?」
答える気にもなれない凶悪なクイズだ。
古賀くんはクックックと喉の奥の方で笑うと、今度はふっと耳に息を吹きかけてきた。
「ひゃうっ!!」
「おもしれー反応だな」
面白いなんて心外だ。
(私はおもちゃじゃないんだから!!)