キミは甘のじゃく
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古賀くんから電話がかかってきたのは、翌日の朝食メニューの参考にすべくレシピ本を読んでいる時だった。
『今、家か?』
「うん、そうだけど……」
『書斎のデスクの上に茶封筒があると思うんだが分かるか?』
「茶封筒?」
リビングから書斎に移動してその所在を確認しにいく。
古賀くんの言う通り、書斎のデスク上には茶封筒が置いてあった。
「あったよ」
『……今から俺の会社まで持ってこられるか?』
「今から?」
プロポーズですら命令形だった古賀くんが私に頼みごとをするなんて珍しい。
つまり仕事で使う重要なものってことよね。
「分かった!!直ぐに届けるね」
正直に言うと頼られることが嬉しかった。
私は二つ返事で快諾すると、早速出掛ける支度を整え始めたのだった。