キミは甘のじゃく

「まさかあの古賀さんにこんなに可愛い奥さんができるなんてびっくりです~。手作り弁当いつも拝見してま~す!!毎日健気ですね~?」

キラキラオーラを存分にまき散らす木橋さんを見て何となく悟る。

この人……。多分、根っからのたらしなんだわ……。

「木橋、少し黙れ。というか、いい加減手を離せ!!」

古賀くんがとうとう私と木橋さんの間に割って入るが、当の本人は全く意に介さない。

「奥さん心配になりません?ほら、この人お金も持っている上に有能でモテるでしょう?」

「はあ……」

……やっぱりモテるのか。

結婚前に下した評価はあながち間違っていなかったようだ。

「接待でよく行くキャバクラでもモテモテで顧客を差し置いて自分だけ名刺もらって帰るんですよ~?」

「木橋!!」

強い口調で怒鳴られると今度こそヤバイ雰囲気を感じ取ったのか、ついに木橋さんが黙った。

「へえ……。そうなんですか?」

平静を装って相槌を打つので精一杯だった。

私は木橋さんへの印象を改めた。

……口が軽いのも大いに欠点だ。

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