キミは甘のじゃく
「おい。何で隠れてんだよ」
「きゃっ!!」
びっくりした……。
物思いに耽っている最中でいきなり声を掛けられたせいで腰を抜かしてしまった。
「いるなら声くらいかけろよ」
「お邪魔かと思って……」
「はあ?」
古賀くんは意味が分からないと不満げに口を曲げた。
金髪美女達は私が来るやいなやThank youと英語でお礼を言って立ち去って行った。
古賀くんも流暢な英語で答えて手を振り返す。
「買い方が分からないっていうんで、教えてやってたんだ」
ああ、そういうことね……。
留学していたこともあったらしく古賀くんは英語も堪能だ。
先に彼女達から声を掛けたのか、まごついているのを見るに見かねたのかは分からないが、その親切心は私にも取っておいて欲しかった。